遺産分割協議書



最初に.札幌で相続手続きをするなら


A.法定相続分(相続の順位)


 1.第一順位


 2.第二順位


 3.第三順位


 4.その他


B.法定相続分を超える部分について対抗要件の具備を(施行日:2019年7月1日)


C.婚姻期間20年以上かつ居住の用に共する不動産、遺贈又は贈与で持戻し免除の意思表示を推定(施行日:2019年7月1日)


D.遺産分割前に銀行から被相続人のお金をおろしたい(施行日:2019年7月1日)


E.生存配偶者の住む場所とお金の両方を確保(施行日:2020年4月1日)


F.生存配偶者は少なくともどのくらいの期間は住めるのか(施行日:2020年4月1日)


G.相続人ではないが被相続人に特別の寄与をすると親族なら請求できる(施行日:2019年7月1日)


H.具体的相続分(特別受益・寄与分の考慮)による遺産分割の時的限界(施行日:2023年4月1日)


I.効力の優先順位


J.主な判例


K.業務/相続手続


L.業務/遺産分割協議書作成(協議済)





A.法定相続分(相続の順位)

  1. 第一順位
    配偶者と子(代襲相続:孫、再代襲相続:曾孫、・・・)
    配偶者 : 1/2
    子    : 1/2
    備考
    • 配偶者(死んだ人の夫or妻)がいなければ、子だけが相続人。
    • 胎児は生きて生まれれば、相続人。
    • 数人いる子の相続分は平等。
    • 実子・養子の相続分は同じ。
    • 平成13年6月末日までに相続が開始した事案における非嫡出子(内縁関係で認知された子)の相続分は、嫡出子の1/2のまま。
    • 平成13年7月1日から平成25年9月4日までに相続が開始した事案における非嫡出子(内縁関係で認知された子)の相続分は、平成25年9月4日以前に遺産分割等により確定的になった場合は、嫡出子の1/2のまま。
    • 平成13年7月1日から平成25年9月4日までに相続が開始した事案における非嫡出子(内縁関係で認知された子)の相続分は、平成25年9月5日以後に遺産分割等される場合は、嫡出子と同等となる。
    • 平成25年9月5日以後に相続が開始した事案における非嫡出子(内縁関係で認知された子)の相続分は、嫡出子と同等となる。
    • 相続人の子が、@相続開始以前に死亡orA相続欠格orB廃除に該当時、代襲相続・再代襲相続ができる。 但し、被相続人(死んだ人)の子が養子の場合で、養子に縁組前の子がいると、養子の連れ子は代襲相続人には、なれない。 又、相続放棄した子の子は代襲相続人には、なれない。
    • 内縁の夫or妻(戸籍上婚姻関係がない為、配偶者になれない)は相続人には、なれない。
    • 被相続人(死んだ人)に親・兄弟姉妹がいても、相続人には、なれない。


  2. 第二順位
    配偶者と直系尊属(父母、祖父母・・・)
    配偶者   : 2/3
    直系尊属 : 1/3
    備考
    • 配偶者(死んだ人の夫or妻)がいなければ、父母だけが相続人。
    • 数人いる直系尊属(父母)の相続分は平等。
    • 直系尊属で親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。 例としては、父が死亡してるが父方の祖父母が生きている、そして母も生きている場合、親等の近い者(母)だけが相続する。
    • 養子(特別養子を除く)が被相続人(死んだ人)であると、実父母と養父母が両方とも相続人となる。
    • 内縁の夫or妻(戸籍上婚姻関係がない為、配偶者になれない)は相続人には、なれない。
    • 被相続人(死んだ人)に兄弟姉妹がいても、相続人には、なれない。


  3. 第三順位
    配偶者と兄弟姉妹(代襲相続:甥、姪まで)
    配偶者   : 3/4
    兄弟姉妹 : 1/4
    備考
    • 配偶者(死んだ人の夫or妻)がいなければ、兄弟姉妹だけが相続人。
    • 数人いる兄弟姉妹の相続分は平等。
    • 片親の違う兄弟姉妹は、他の者の1/2。
    • 相続人の兄弟姉妹が、@相続開始以前に死亡orA相続欠格orB廃除に該当時、代襲相続はできるが、再代襲相続はできない。 又、相続放棄した兄弟姉妹の子は代襲相続人には、なれない。
    • 内縁の夫or妻(戸籍上婚姻関係がない為、配偶者になれない)は相続人には、なれない。


  4. 死亡時期による法定相続分などの違いに注意
     上記の法定相続分などは、昭和56年1月1日以降に被相続人が死亡した場合である。 昭和22年5月3日から昭和55年12月31日までに被相続人が死亡した場合や、昭和22年5月3日より前に被相続人が死亡した場合では、それぞれ法定相続分などが異なる。



B.法定相続分を超える部分について対抗要件の具備を
(共同相続における権利の承継の対抗要件)
民法第899条の2 ※改正法(施行日:2019年7月1日)
  1. 相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分 については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。
  2. 前項の権利が債権 である場合において、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超えて当該債権を承継した共同相続人が当該債権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該債権を承継した場合にあっては、当該債権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして債務者にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が債務者に通知をしたものとみなして、同項の規定を適用する。



C.婚姻期間20年以上かつ居住の用に共する不動産、遺贈又は贈与で持戻し免除の意思表示を推定
(特別受益者の相続分)
民法第903条 ※改正法(施行日:2019年7月1日)
  1. 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
  2. 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
  3. 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思に従う。
  4. 婚姻期間が二十年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第一項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。



D.遺産分割前に銀行から被相続人のお金をおろしたい
(遺産の分割前における預貯金債権の行使)
民法第909条の2 ※改正法(施行日:2019年7月1日)※施行日前に開始した相続でも、施行日以後に権利を行使するなら適用。
  1. 各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の三分の一に第九百条及び第九百一条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額(現在:150万円)を限度とする。) については、単独でその権利を行使することができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。



E.生存配偶者の住む場所とお金の両方を確保
(配偶者居住権)
民法第1028条 ※改正法(施行日:2020年4月1日)
  1. 被相続人の配偶者(以下この章において単に「配偶者」という。)は、被相続人の財産に属した建物相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の全部について無償で使用及び収益をする権利(以下この章において「配偶者居住権」という。)を取得する。ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りでない。
    1. 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。
    2. 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき。
  2. 居住建物が配偶者の財産に属することとなった場合であっても、他の者がその共有持分を有するときは、配偶者居住権は、消滅しない。
  3. 第九百三条第四項の規定は、配偶者居住権の遺贈について準用する。
審判による配偶者居住権の取得)
民法第1029条 ※改正法(施行日:2020年4月1日)
  1. 遺産の分割の請求を受けた家庭裁判所は、次に掲げる場合に限り、配偶者が配偶者居住権を取得する旨を定めることができる。
    1. 共同相続人間に配偶者が配偶者居住権を取得することについて合意が成立しているとき。
    2. 配偶者が家庭裁判所に対して配偶者居住権の取得を希望する旨を申し出た場合において、居住建物の所有者の受ける不利益の程度を考慮してもなお配偶者の生活を維持するために特に必要があると認めるとき(前号に掲げる場合を除く。)。
(配偶者居住権の存続期間)
民法第1030条 ※改正法(施行日:2020年4月1日)
  1. 配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間とする。ただし、遺産の分割の協議若しくは遺言に別段の定めがあるとき、又は家庭裁判所が遺産の分割の審判において別段の定めをしたときは、その定めるところによる。
(配偶者居住権の登記等)
民法第1031条 ※改正法(施行日:2020年4月1日)
  1. 居住建物の所有者は、配偶者(配偶者居住権を取得した配偶者に限る。以下この節において同じ。)に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う。
  2. 第六百五条の規定は配偶者居住権について、第六百五条の四の規定は配偶者居住権の設定の登記を備えた場合について準用する。



F.生存配偶者は少なくともどのくらいの期間は住めるのか
(配偶者短期居住権)
民法第1037条 ※改正法(施行日:2020年4月1日)※強行法規
  1. 配偶者は、被相続人の財産に属した建物相続開始の時に無償で居住していた場合には、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める日までの間、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の所有権を相続又は遺贈により取得した者(以下この節において「居住建物取得者」という。)に対し、居住建物について無償で使用する権利(居住建物の一部のみを無償で使用していた場合にあっては、その部分について無償で使用する権利。以下この節において「配偶者短期居住権」という。)を有する。ただし、配偶者が、相続開始の時において居住建物に係る配偶者居住権を取得したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し若しくは廃除によってその相続権を失ったときは、この限りでない。
    1. 居住建物について配偶者を含む共同相続人間で遺産の分割をすべき場合 遺産の分割により居住建物の帰属が確定した日又は相続開始の時から六箇月を経過する日のいずれか遅い日
    2. 前号に掲げる場合以外の場合 第三項の申入れの日から六箇月を経過する日
  2. 前項本文の場合においては、居住建物取得者は、第三者に対する居住建物の譲渡その他の方法により配偶者の居住建物の使用を妨げてはならない。
  3. 居住建物取得者は、第一項第一号に掲げる場合を除くほか、いつでも配偶者短期居住権の消滅の申入れをすることができる。
(配偶者による使用)
民法第1038条 ※改正法(施行日:2020年4月1日)
  1. 配偶者(配偶者短期居住権を有する配偶者に限る。以下この節において同じ。)は、従前の用法に従い善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用をしなければならない。
  2. 配偶者は、居住建物取得者の承諾を得なければ、第三者に居住建物の使用をさせることができない。
  3. 配偶者が前二項の規定に違反したときは、居住建物取得者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者短期居住権を消滅させることができる。
(配偶者居住権の取得による配偶者短期居住権の消滅)
民法第1039条 ※改正法(施行日:2020年4月1日)
  1. 配偶者が居住建物に係る配偶者居住権を取得したときは、配偶者短期居住権は、消滅する。
(居住建物の返還等)
民法第1040条 ※改正法(施行日:2020年4月1日)
  1. 配偶者は、前条に規定する場合を除き、配偶者短期居住権が消滅したときは、居住建物の返還をしなければならない。ただし、配偶者が居住建物について共有持分を有する場合は、居住建物取得者は、配偶者短期居住権が消滅したことを理由としては、居住建物の返還を求めることができない。
  2. 第五百九十九条第一項及び第二項並びに第六百二十一条の規定は、前項本文の規定により配偶者が相続の開始後に附属させた物がある居住建物又は相続の開始後に生じた損傷がある居住建物の返還をする場合について準用する。
(使用貸借等の規定の準用)
民法第1041条 ※改正法(施行日:2020年4月1日)
  1. 第五百九十七条第三項、第六百条、第六百十六条の二、第千三十二条第二項、第千三十三条及び第千三十四条の規定は、配偶者短期居住権について準用する。



G.相続人ではないが被相続人に特別の寄与をすると親族なら請求できる
(特別の寄与)
民法第1050条 ※改正法(施行日:2019年7月1日)
  1. 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。
  2. 前項の規定による特別寄与料の支払について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から六箇月を経過したとき、又は相続開始の時から一年を経過したときは、この限りでない。
  3. 前項本文の場合には、家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、特別寄与料の額を定める。
  4. 特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
  5. 相続人が数人ある場合には、各相続人は、特別寄与料の額に第九百条から第九百二条までの規定により算定した当該相続人の相続分を乗じた額を負担する。



H.具体的相続分(特別受益・寄与分の考慮)による遺産分割の時的限界
(期間経過後の遺産の分割における相続分)
民法第904条の3 ※改正法(施行日:2023年4月1日)
  1. 前三条の規定(→特別受益・寄与分)は、相続開始の時から十年を経過した後にする遺産の分割については、適用しない(→法定相続分・遺言の指定相続分による)。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。(→具体的相続分による)
    1. 相続開始の時から十年を経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
    2. 相続開始の時から始まる十年の期間の満了前六箇月以内の間に、遺産の分割を請求することができないやむを得ない事由が相続人にあった場合において、その事由が消滅した時から六箇月を経過する前に、当該相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
※分割の方法:遺産分割(共有分割ではない)
※相続開始の時から十年を経過した後でも、相続人全員が具体的相続分による遺産分割に合意した場合、その基準で遺産分割可能
※改正法の施行日(2023年4月1日)前に被相続人が死亡した場合の遺産分割にも適用されるが、経過措置により、少なくとも施行時から5年の猶予期間あり。



I.効力の優先順位
(強) 遺言書または遺産分割協議書>法定相続 (弱)
 まず、遺言書が有る場合は、法定相続の割合は無視されます(遺留分権利は確保される)。
 次に、遺言書が無い場合は、法定相続の割合通り遺産分割をするか、相続人全員の協議により分割内容が決まれば法定相続の割合と異なる遺産分割も可能です。
 だからこそ、「遺産分割協議書」は裁判でも強力な証拠書類になるのです。 後々、「口約束という言った言わなかったの水かけ論」で家族間で、もめる前に是非、予防対策として、 行政書士に「遺産分割協議書」の作成を依頼しましょう。 勿論、「遺産分割協議書」の成立後に、相続人Aさんが文句を言い出しても手遅れです (詳しくは、後述のI.主な判例をご覧下さい)。 にも関わらず、Aさんが裁判で争う場合もありえます(国民には裁判を受ける権利が憲法によって保護されています)。 しかし、有効に「遺産分割協議書」が成立している限り、強力な証拠書類として役に立つことでしょう。



J.主な判例
遺産分割協議と民法541条による解除の可否
 共同相続人間において遺産分割協議が成立した場合に、 相続人の一人が右協議において負担した債務を履行しないときであっても、 その債権を有する相続人は、民法541条(履行遅滞等による解除権)によって右協議を解除することができない。
(民法541条,民法907条,民法909条に関連した最高裁の判例より)
遺産分割協議と合意解除及び再分割協議の可否
 共同相続人は、既に成立している遺産分割協議につき、 その全部又は一部を全員の合意により解除した上、改めて分割協議を成立させることができる。
(民法545条,民法907条,民法909条に関連した最高裁の判例より)



K.業務/相続手続
@相続開始
 被相続人(=死亡者)が死亡したときから相続が始まります。
A死亡届を提出
 届出義務者が、死亡の事実を知った日から7日以内 (国外で死亡があったときは、その事実を知った日から3箇月以内)に、市区町村へ提出して下さい。
B遺言書の有無を確認
 「遺言書」があるかどうかを確認しましょう(公正証書遺言・法務局で保管された自筆証書遺言を除いた全遺言書は、家庭裁判所での検認も忘れずに!)。
 又、遺言書があれば、原則遺産分割の協議は不要です(例外については、前述のC.効力の優先順位をご覧下さい)。

保管場所の例
  • 自宅:タンスなど
  • 公証役場:相続人等利害関係人のみ公証人に対し、平成1年以降に公正証書遺言を作成した場合、どこの公証役場でも照会を依頼できます。平成1年前に公正証書遺言を作成した場合、同遺言を作成した公証役場には記録が残っていますが、これを作成していない公証役場では照会を依頼できません。
  • 法務局(法務局における遺言書の保管等に関する法律:2020年7月10日施行):法第10条第1項⇒何人も、遺言書保管官に対し、遺言書保管所における関係遺言書の保管の有無並びに当該関係遺言書が保管されている場合には遺言書保管ファイルに記録されている第七条第二項第二号(第四条第四項第一号に係る部分に限る。)及び第四号に掲げる事項を証明した書面(第十二条第一項第三号において「遺言書保管事実証明書」という。)の交付を請求することができる。
C相続財産の調査・評価
 プラスの財産以外にもマイナスの財産があるかもしれません。財産の種類ごとに評価していくことなります。ご依頼者様側での調査と評価をして頂きます。

評価の例
  • 不動産:「固定資産税・都市計画税(土地・家屋分)納税通知書」にある資産の価格(土地で相続税の算定の際に用いる評価は路線価) ※紛失した場合、「固定資産評価証明書」をおとり下さい。
  • 金融機関:「被相続人の死亡の日まで記入漏れがない通帳」 ※記入漏れなどの不安があれば「預金残高証明書」を各金融機関の口座毎に収集下さい。
  • 上場株式:「被相続人の死亡の日の最終価格がわかる証明書」
  • 相続開始の時において、まだ保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利(民法上の相続財産に当たる):「生命保険権利評価額証明書」
又、財産目録作成も行っております。
D相続人の特定
 相続関係説明図(法定相続情報証明制度における一覧図)作成の付属手続として、職権にて 被相続人の出生から死亡まで全戸籍謄本・除票・戸籍の附票および相続人の戸籍謄本・住民票を収集致します。
 又、相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、 相続について、「単純承認」「限定承認」「相続放棄」をしなければなりません。尚、被相続人の遺産に手を付けた場合や何もしない場合は「単純承認」となります。
E準確定申告
 被相続人に所得があった場合は、被相続人の死亡から4箇月以内に所得税の申告と納付。
F全相続人間での話合
 遺産分割協議書は相続人全員の合意が必要です。ケースによっては、特別受益、寄与分、配偶者居住権(2020年4月1日以後に開始した相続から適用)及び 相続人ではないが被相続人の親族に特別寄与者がいる場合は特別寄与者から相続人に対し請求できる特別寄与料(2019年7月1日以後に開始した相続から適用)の考慮も必要となるでしょう。 一人でも反対すると作成できません。又、相続分なきことの証明書作成も行っております。
G遺産分割協議書作成
 当事務所にて、遺産分割協議書作成を承ります(詳しくは、後述のF.業務/遺産分割協議書作成をご覧下さい)。
H遺産の分割を始める
 遺産分割協議書に沿って分割を実際に行います。
 不動産であれば、登記が必要です。(2024年4月1日から不動産の相続登記が罰則付で義務化されます。不動産の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請義務。正当な理由がないのにその申請を怠ったときは10万円以下の過料。施行日より前に発生した相続にも登記申請義務は課されるが、申請義務の履行期間は施行前から開始とならないように配慮される予定。申告義務の簡易履行を可能とする「相続人申告登記」も新設。)当事務所から業務提携をしている司法書士に登記を依頼をすることもできますが、ご自身で登記を行うことも可能です。
 車であれば、移転登録が必要です。こちらは行政書士に依頼できます。
I相続税の申告
 相続税がかかる場合は、被相続人の死亡から10箇月以内に、相続税の延納・物納の申請、相続税の申告と納付。 当事務所から業務提携をしている税理士に依頼をすることもできます。



L.業務/遺産分割協議書作成(協議済)
説明
 遺産分割の協議が共同相続人の間で成立した場合、それを証明する為に遺産分割協議書を作成致します。 この協議書を作成しなくても、遺産分割の効力は、協議が成立した以上有効なものと認められます(不要式行為)が、後日の紛争をさける為、 又は、不動産がある場合に、特定の不動産を特定の相続人が相続するという法定相続分と異なる相続 (例:相続人が妻と長男と二男であるとき、遺産分割協議後、財産目録にある不動産を妻1人に単独取得させる。又は、妻は相続しないで長男=持分2分の1と二男=持分2分の1に取得させる等。) をし、その不動産の名義変更(所有権移転登記)をする為に登記原因証明情報として遺産分割協議書が必要になります。なお、無体財産権であればその登録をする為の原因証書としても、遺産分割協議書が必要になります。
 遺産分割協議書作成のご依頼では、最初に、当職とご依頼者様との打合せにより、共同相続人の間で成立した内容をもとに当職が整理して原案を作成いたします。ご依頼者様に確認いただき問題がなければ、正式な契約書を作成いたします。
遺産分割協議書を添付書類とした提出先の例
銀行へ提出
預貯金の引き出し(銀行によって異なる)
法務局へ提出
所有権移転登記の為(法定相続分以外の分割の場合)
※登記申請書作成は、ご自身で作成または司法書士業務です。
税務署へ提出
法定相続分と違った割合で分割したときに相続税申告
※相続税の申告書作成は、ご自身で作成または税理士業務です。
裁判所へ提出
  • 利益相反行為(父が死亡し、共同相続人の母及び未成年者の子が行う遺産分割協議など)で、家庭裁判所に特別代理人の選任申立をする場合
    ※特別代理人選任申立書作成は、ご自身で作成または弁護士・司法書士業務です。
  • 成立後にも関わらず、裁判に発展した場合
    ※訴状作成は、ご自身で作成または弁護士業務です。



<注意事項>

 行政書士は、本人に代わって代理交渉をすることが出来ません。
 ですから代理交渉が必要な場合、又は既に当事者間で争いになっている場合は、業務範囲外となります。 ※裁判所に提出する書類の作成は、弁護士・司法書士の専管業務です。 (参考:弁護士法第72条
 ご依頼された業務から、発生した他士業の業務は、必要に応じて当事務所から 他士業者(弁護士・司法書士・土地家屋調査士・税理士・社会保険労務士・宅地建物取引士等)を紹介致します。



行政書士前田景介法務事務所 北海道札幌市西区平和1条4丁目5番1号 011-667-3576
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